Carrier Career Counseling

出 産

出 産
  • 出生前には血友病かどうかが調べられるの?
  • 出産のときに気をつけることは?
  • もし子どもが血友病だったら?
  • 夫の両親への対応はどうしたらいい?

出産時をめぐっては、妊娠、手術、麻酔、出生、分娩後における十分な準備が必要になります。
遺伝カウンセリングや支援を受ける必要も出てきがちです。そうした準備をするための情報提供をする相談窓口もあります。

よくある質問と答え

血友病保因者の出産時にはどう対応したらいいでしょう?

答え

血友病保因者が出産される場合には、「血友病保因者である」「推定保因者である」ことを伝え医師と相談しましょう。血友病のお子さんが産まれる可能性について知らなかったために通常の分娩をしてしまい、お子さんに後遺症が残るなどのケースもあります。特段の配慮が必要になります。
医学的には、血友病保因者の出産についての指針(エキスパートの意見に基づく血友病周産期管理指針)というものがあり、分娩時に医療者がどう対応したらいいのかが記されています。
この指針では、保因者の出産においては、事前にしっかりと分娩の計画を立てておくべきとされています。そして、胎児が血友病である可能性を排除できない場合には、血友病疾患の管理に必要とされる専門知識、技術、検査機能を備え、凝固因子製剤による補充療法・止血管理を適切に行うことのできる施設での分娩をすることが望ましいとされています。
分娩そのものの方法は、胎児にもっとも安全な方法を用います。胎児が血友病患児または症状のある保因者の可能性が排除できない場合には、吸引分娩や鉗子分娩は避けることが望ましいとされ、児の娩出が遅くなる場合には早めに帝王切開に切り替えるとよいとしています。

血友病かどうかは出産前に調べられるでしょうか?

答え

羊水検査などによって、出生前に診断することは技術的には可能です。
羊水検査とは、羊水を採取して、子どもの染色体を調べる検査です。羊水には、子どもから剥がれた細胞が含まれているために、生まれてくる子どもについての情報を得ることができるのです。針を刺して羊水を採取するため、少ないとはいえ胎児を傷つけたり流産を引き起こしたりする可能性があります(0.5%以内程度)。また日本では基本的には、血友病かどうかを調べる目的での羊水検査は実施されていません。
出生前に産まれてくる子どもの性別を調べ、男の子だということがわかったときに、いろいろ判断するということもあるようです。
とはいえ、血友病ということだけを考えると、血友病自体は現在では治療方法が進歩し確立されており、ほとんどの場合には重度の関節障害などなく、生活の質を維持したままで育っていきます。ですから、出生前に血友病かどうかを調べるということは、本来は、子どもが血友病の場合に、より安全な分娩方法をしたらいいのかを考えるために役立つともいえるでしょう。

社会福祉法人 はばたき福祉事業団
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