メッセージ
血友病保因者女性と患者会
血友病の患者会にはどうやって参加したらいいのでしょうか?
血友病の患者会に保因者女性も参加していいのでしょうか?
お子さんについての情報交換はされていますか?
普段の日常生活の中でどういう対処をしたらいいのかというのをすごく悩んでいるお母さん方が多いです。血友病の小さい子どもをお持ちのお母さんから、多く出る質問が、プールサイドでどうしたらいいですか、遊ばせるときにどこまでケアをするのですか、という内容です。ヘルメットを常にかぶっているお子さんもいれば、そうでないお子さんもいます。子ども達が入園、入学するとき、どのように先生方に伝えればよいのか、具体的な相談も多いです。(30歳代女性)
夫(お子さんの父親)が患者会に参加することもあるのでしょうか?
我が家は、キャンプやクリスマス会の年に2回ぐらい、父親が参加しています。
子どもに注射をする医療行為をしないといけないことに対して、抵抗があり、できないことを、少し後ろめたいといいますか、もちろんそれには時間もないことに加えて、怖さも加わっています。もっと参加したいけれども現状できないことをジレンマに感じているお父さんが多いです。血友病という病気に対して、深刻に考え過ぎているお父さんや攻撃性をもっているお父さんは現在、周囲には誰一人いません。それは素晴らしいことだと感じています。血友病の子の女きょうだいの娘を持つお父さんは、自分は、その女の子に対して、どのように説明したらいいかというのを実際に悩んでいるお父さんもいて、ここまでお父さんが血友病と真剣に向き合い考えているのかと驚きました。現在はそういうお父さんが大勢いるのがすごいことだと思います。(40歳代女性)
患者会に出ると情報を得る以外にどんないいことがあるのでしょうか。
こっちだったらこうだったのに、あっちだったら違ったということは、社会どこでもある話です。ただ、知識として持っていると、何かのときのフォローになったり、自分の中でストレスとか不安みたいなものが軽減したり解消されていきます。その人の中での個人での経験値として、自分が経験してなくても、話を聞くことで一つの経験値として換算されていって、うまく気持ちの整理がついていきます。一個のつまずきがあまり大きなつまずきでなくなり、心の傷につながるケガではなくて、これぐらいは聞いたことがあるから大丈夫というようにとらえられていきます。
患者会の参加を重ねていくと、先輩お母さん、同級生お母さん、後輩お母さん方のお話を、家族を中心にして上、横、下の繋がりを大切に感じながら、一歩引いて落ち着いて見て聞くことができ、深く自分の心の中に浸透していきます。最初に患者会に来て、何か情報を得たいっていうことの次の段階がそこなのかもしれません。(40歳代女性)
子どもたちが患者会に参加すると、どんないいことがあるのでしょうか?
例えば各家庭によって「注射の事は、こういうふうにしている」とか、違うわけです。生活パターンが違うので当たり前かと思いますが、医療者からは、「このようにするように」と指導が入りますが、実際に家庭に持ち帰るとなかなかそれを実践したくても無理なこともあるわけです。では、それをうまく擦り合わせていくにはどうすれば良いかは、それぞれお母さんたちが工夫を凝らしているのです。
その工夫をわざわざ声を大にして言うほどではありませんが、他の家庭ではこの方法でやっているというのを聞くと、「あ、こんな方法もあったのか!」という発見や自分の方法も間違いではなかったという許されるような安心に繋がります。例えば「基本は週3注射しているが、この日だけ、遅くまで遊んでしまったから、夜の注射は次の日にしよう」「週3注射しているが、この2日間は、身体を激しく動かすことになるから連日投与にしておこう」というように、「そんなこともできるのか、いいんだ」みたいなことは、医療者には全てを言えないことも多いです。親同士はやはり建前があるので言えませんが、そこの「余白」といいますか「伸びしろ」ともいえる部分を、子ども同士が交流を持ち包み隠さず話し合っていることが、結果的には親同士の情報共有の場にも繋がり一挙両得です。(40歳代女性)