コラム
血友病保因者女性の悩み、誰に相談すればいいの?
当サイトは血友病保因者女性に役立つ情報を発信しています。
保因者女性のお話を伺っていると、「血友病に関する情報を満足に得られる機会がなかった」というお声をよくいただきます。
両親、特に母はご自身が保因者ではない場合、どのように確定保因者である娘に伝えていいか迷われて、結果的に血友病について あまり触れることができないというケースも少なくありません。
また、血友病患者である父から血友病についての知識を得ても、妊娠・出産時の助言や相談はなかなかできない現状があるようです。
今回、確定保因者の女性2名に、血友病とどのように向き合ってこられたのか、
お話を伺いましたのでお伝えしていきます。
血友病についてどのタイミングでどのように知りましたか?
Aさん
私は中学校の時に血友病だった父が亡くなりました。そのタイミングで私が確定保因者であることを母から聞かされ、小さい時に検査を受けていたことも知りました。
Bさん
幼い頃から父が病院通いをしていて、周りの話から何となく血友病のことは知っていました。正確には覚えてないですが、高校生の時に両親から保因者であることを聞きました。
血友病について詳しく調べたことはありましたか?
Aさん
母も詳しくは分からないようだったので、一度聞かされてからは深く調べることはなかったです。日常生活に困ることも特にありませんでしたので。
Bさん
抜歯をした時に出血がすごかった時に保因者であることと関係あるのかな?と疑問に思いましたが特には調べてないですね。
結婚する際にお相手にはどのように話されましたか。
Aさん
以前、結婚を考えていた相手がいて、その彼は両親の猛反対に合ったこともあって受け入れてくれませんでした。現在の夫は血友病や遺伝についてすんなりと理解してくれました。
Bさん
血友病のことは説明しました。父が血友病患者ということもあり理解はしてくれました。遺伝のことも説明しましたがあまり深刻には受け止めていないような気がします。
出産の時、医療機関の対応はいかがでしたか。
Aさん
自宅近くの病院からは対応できないと言われてしまったので、以前手術でお世話になった病院で出産しました。
血友病保因者であることは医師に伝えていましたが、出産時に出血がひどく産後1週間はまともに起き上がれませんでした。退院時に、「血友病保因者は出血が多いから気をつけなくてはいけないんですよね。」と言われ今更そんなこと言われても、と。
その後は問題なかったからよかったものの、事前に伝えておいてもそんなものかと唖然としました。
Bさん
妊娠時に相談したマタニティクリニックでは、先生が白血病と間違うほど血友病についての知識がありませんでした。早産だったため大学病院で帝王切開をしたのは、自分から選んだわけではないものの結果的によかったかなと思っています。
これから出産される方は、赤ちゃんに出血させないために、帝王切開で出産して欲しいです。
保因者女性に対するサポートで充実させて欲しいことはありますか。
Aさん
以前、医師から「血友病保因者なのに結婚、出産するの?」と言われたことがあって。正しい知識を持った病院の情報があるといいなと思います。あの時は相当腹立たしかったですから。
Bさん
やはり出産に関してサポートを充実させてほしいです。血友病の知識のない病院で出産するのはリスクがあるので、知識やサポートが充実していて、赤ちゃんのフォローもしっかりしてくださる体制が整った病院を知りたかったですね。
お二人のお話から、血友病についての正しい情報や理解を得ることは容易ではなかったことが分かります。
保因者女性によっては、凝固因子活性が10%以下の方もいらっしゃいます。
これは血友病の重症度でいうと軽症から中等症に当たるため日常生活だけでなく特に出産時には注意が必要です。
いきなり病院に相談するのは少し気が引けるという方はお気軽にご相談ください。
血友病患者・家族の支援に長らく関わってきた女性相談員がお話を伺います。
その中で、保因者女性が血友病についての正確な情報を得たい、相談したいと考えた時にしっかり対応してもらえる医療機関等を紹介したいと思います。
保因者女性が、日常生活での健康状態や結婚・出産などのライフイベントにおいて、一人で悩むことのない社会を作っていくための一つの役割を担っていきたいと考えております。